お金はどこへ消えた?

ここのところユーロ圏が混乱しており、ギリシャが借金が返せない、スペインとイタリアも苦しい、ドイツは貸した金が返ってこなくて困っている、といった話が聞かれます。お金が返って来ないという話をすると、「返されるはずだったお金はどこへ消えたの?」といった質問が出ることがあります。ともすれば「悪い国際金融資本が隠しているの?」などと言われます。

実際は、誰も隠してなんかいません。溶けて消えたのです。お金が溶けて消える?少し違和感があるかもしれないので、簡単な小噺で考えてみましょう。

小噺

希「そのクルマほしいな~」

独「2万ユーロになります。」(売買成立)

希「手元にお金がないけど、ローンでいいかな。」※1

独「結構です。まいどありがとうございます。」

――10年後

独「ギリシャさん、ローンの返済が滞っているんだけど」

希「すっかり忘れてた、もう無理かも てへぺろ(・ω<)」※2

解説

上記の小噺では、よく見るとお金は全く動いていません。※1で金を動かす約束だけが発生し、※2でその約束が反故にされて終わっています。誰も隠してもいません。ただ約束だけがなくなったのです。

小噺(お金の存在を省略した場合)

希「そのクルマほしいな~」

独「そう?まあクルマはまた作ればいいから、これあげるよ」(売買成立)

希「ホントに!? ありがとう~ なんでもお礼するよっ。約束だよ。はいっお礼するときの招待状だよっ。お礼に何したらいいか、後で教えてねっ」(お金の発生)

独「ありがとう❤️ じゃあ、またあとで私の欲しいもの教えるね」

希「うんっ」

――5年後

希「ドイツさんまだかなあ」

――さらに5年後

独「ギリシャさん、お礼の件なんだけど」

希「すっかり忘れてた、もう無理かも てへぺろ(・ω<)」(お金の消滅)

お金とは何かについて少し考える必要があります。

「約束だよっ」がお金です。売ったら買うことができる。昔はお金が貴金属だったので消滅することはなかったのですが(兌換紙幣)、今は世界人口が増えすぎて貴金属を60億人全員に配れなくなりつつあり、口約束オンリーでも(約束は守れよと命令する法律に従って)お金としての機能を持てるようになっています(不換紙幣)。ただ約束を守れない人たちがいると言うだけの話で。現代のお金は約束なので、約束が発生した時にお金も生じ、約束が守れないときにお金も消滅します。

結論

なんでオッサンがこんな文体で書いているんですか?キモいんですが。

(2011/11/26)