室内気温の管理は高齢者の健康を増進する。加えて医療費を節約する
近年、高齢者の健康管理における外気温管理の重要性が説かれている。冬場には、外部温度の急激な変化に起因する循環器系を中心とした疾患(ヒートショック)による死亡、障害があり、東京都健康長寿医療センターの推計によれば2011年のヒートショックによる死亡者は17000人に達し、そのうち14000人程度が高齢者とされている。一方、夏場においては、ヒートアイランド現象の進行もあり、熱中症による死亡者の増加が問題となっている。2010年の熱中症による死亡1718件のうち、約8割(79.3%)が65歳以上であり、発生場所では家(庭)が全死亡者数の45.6%と最も多くなっている。加えて、断熱性の高い建物による全室温度管理を実現した場合、高齢者の室内歩行の割合が高まり、それが高齢者の筋力維持に寄与していることを示唆するデータもある。高齢者の筋力維持は、寝たきりを防止するための転倒予防には必須であり、室内の温度管理が店頭を予防することにもつながると考えられる。
冬場のヒートショックと夏場の熱中症は現在でも年間約2万人の死因となっており、転倒は介護が必要になった原因の11.8%(40万人)を占める状況で、温度管理のしやすい断熱性の高い住宅にエアコンを導入することは、高齢者の健康増大に大きく寄与し、また介護が必要になる原因の11%を占める転倒についても減少させる可能性があるものと考えられる。
平成25年12月2日 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 冬場の住居内の温度管理と健康について http://www.tmghig.jp/J_TMIG/release/pdf/press_20131202.pdf
2011年の1年間で約17,000人もの人々がヒートショックに関連した入浴中急死をしたと推計され、その死亡者数は交通事故による死亡者数(4611人)をはるかに上回ります。……そのうち14,000人ぐらいが高齢者の方だと考えられます。
居室全体を暖房し室温が高いと活動量や筋力も高い
厚生労働省発表資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001g7ag-att/2r9852000001g7fo.pdf
環境省広報資料
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/3-2.pdf
http://www.shinfuji.or.jp/shinfuji/service/pdf/4-1.pdf
介護が必要になった原因の11.8%を占めます(脳卒中、衰弱に続く第3位)。全国で約40万人います(平成16年2月現在の日本全体の要介護者は376万人)。高齢者の1年間の転倒発生率高齢者全体では約12%です。65歳以上では、在宅高齢者の約20%、施設入居高齢者の約40%という報告もあります。
高齢者の転倒予防 > 高齢者の転倒の状況
http://tentou.terumo.co.jp/kourei/joukyo.html
筋力が低下すると、転倒リスクが4倍以上に
(2014/12/20)