Windows Readyboostが意外と使える件

要約

メモリが1GB〜2GBのマシンで、最近発売された8GB以上のUSBメモリをReadyboost専用に設定すると1000円以内でそれなりの満足を得られる。

本文

Windows Vistaの登場時に、新機能としてUSBメモリを活用して高速化できるという一種の救済措置が搭載されていた。しかし、この機能を利用しても速度が劇的に改善するわけではないため、半分死んだ機能になっていた。効果が低かった大きな理由は、Readyboostの本領発揮には数GBの容量と高速な読み書きを備えたUSBメモリが必要だったからである。これを満たす性能のUSBメモリは、Vista発売当初は1万円以上の値が張り、そんな投資をするくらいなら素直にメモリを買い足した方がよほど効果的だった。しかしここにきて、Readyboostの利用価値は高まっている。

まずUSBメモリの利用が以前に比べずっと手軽になった。第一に、USBメモリが安くなっている。8GB程度なら500円足らずで買え、気軽に使うことが出来る。次に、安いUSBメモリでも基本性能が大きく伸びている。そのような大容量のUSBメモリも、NTFSやexFATを用いればすべてReadyboostに利用できる。

ただし、新しく買うマシンはメモリもそれなりに積んでおり、プリフェッチが活用されページングも少なく、ディスクアクセスはそれほど多くないので、Readyboostの恩恵を感じることは少ない。問題は少し古いマシンで、メモリが標準1GB最大2GBまでといった機種はざらにある。メモリが少ない場合、ことあるごとにディスクアクセスが生じる。ディスクアクセスの処理中に別のディスクアクセスが重なると、加速度的に遅くなる。例えばページングのアクセス中に日本語を入力しようものなら、ページングと辞書の読み書きが重なって変換するのに数秒かかるといった状況が頻発する。Readyboostを使えば、そういった状況を回避できる可能性が高くなる。

また、Windows8になって、WinRT(.NET環境)の起動で必ずメモリを食うようになった。低メモリ(1GB程度)マシンではWinRT環境を起動するたびにページングが起こり、HDDへの二重アクセスが増えて速度が非常に低下する。そのような環境でWordを起動しながらPDFを読もうとすると、PDFリーダーをアクティブにするたびに5〜10秒待たされるという事態が起きる。これをReadyboostでキャッシュすると、二重アクセスが減りAdobeReaderを使うより快適に利用できるようになる。

このように、ちょっと古いマシンにVista以降を入れたとき、そのマシンのメモリが1GB〜2GBであれば、最近発売された8GB以上のUSBメモリを刺しっぱなしにしてReadyboost専用に設定すると1000円以内の投資でそれなりの満足を得られるだろう。

P.S.

フォーマットはexFATが最適と考えるが、筆者の環境ではexFATフォーマットされたUSBメモリが刺さっているときに起動するとBIOSがフリーズすることがあった。その場合はNTFSがいいだろう。4GB以下ならばそのままFATでよいが、そのようなUSBメモリは総じて速度も遅いので注意が必要である。

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